アイルランド文化研究会(日本アイルランド協会)の告知、資料公開、情報交換、討論等を行うブログ。
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
質問と応答(2)
質問:カトリック教会が性とポピュラー音楽の主要な抑圧装置として働いていたと聞こえたのですが、そういうことでよいのでしょうか?

性とポピュラー音楽をセットで論じることはなにも私の発明ではなく、ポピュラー音楽研究ではありきたりなことです。ただし私の狙いはアメリカ1950年代以降の新中産階級若者によって担われたカウンターカルチャー論を、時間的かつ空間的に敷衍化して19世紀中期以降のアイルランドにおける性とポピュラー音楽(民衆の音楽を含める)を論じたかったわけです。

つまりパンクを含めた商業音楽(大衆に消費される音楽)を歴史化する、ということです。

さてカトリック教会の係わりですが、私は発表の中で「ボディー・ポリティック」という概念を強調しておきました。その目的はカトリック教会を「抑圧」の主力として叩くのが目的ではなかったからです。つまり「ボディー・ポリティック」という場合の政体は人間の身体と同じようにさまざまな器官・体液などの相互作用で成り立っているわけですから、教会も政府、資本、教育、家庭、個人等のような社会構成部分に過ぎません。身体に病気が進行すればさまざまな器官が連動するように、性に対する規制も教会のみならず、社会を構成するすべての要素による調整というものが働いているはずです。

そうは言っても教会がそれらの要素の中でも一時期に力を持っていたことは明白ですから言及することが多くなるのは仕方がありません。でもそれは必ずしも教会のみを批判の対象にしていることにはなりません。社会の構成要素それぞれが係っていることです。

また「ボディー・ポリティック」という言葉で私が伝えたかったことは身体に対する政治に止まらず、「身体による政治」を際立たせたかったからです。この観点に立てばダンスという文化形態も、さらにはダンス音楽としてのポピュラー音楽もまたすぐれて「ボディー・ポリティック」なわけです。

今回はこんなところです。
スポンサーサイト

テーマ:音楽 - ジャンル:学問・文化・芸術

コメント
コメント
コメントの投稿
URL:
本文:
パスワード:
非公開コメント: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
トラックバック URL
トラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。